昨日、注目を集める若手起業家3人と食事をする機会があった。
いろいろと勉強になることも多く、また共感できることも多く、極めて有意義な場だった。

そんな中で1つ面白い話しを耳にした。


日本のITベンチャー企業はある程度の規模感になると事業を多角化しようとするという。
確かにサイバーエージェント、GMO、楽天、DeNA、Gree、Mixi、Voyage Groupなどなど、例を上げればキリがないほど存在する。

一方でシリコンバレーのベンチャー企業は1事業に集中する一点突破型の企業が多い。

その違いが何かという話し。

答えがあるわけではないが、たどりついた結論としては生態系としての違いが大きいのではないかということ。


具体的に言うと、日本のITベンチャーが多角化する理由の1つは継続して成長を志向した結果だろう。
インターネットのサービスはライフサイクルが極めて短く、1サービスに依存した経営は永続性に大きなリスクを抱えることになる。DeNA、Gree、Mixiが各社急いで多角化しているのもそういう理由に他ならないだろう。

かくいう弊社も近い将来、多角化戦略を取っていくことは間違いないし、そもそも組織としての永続性を意識している以上、間違いなくそういう選択を取ることになる。


一方でシリコンバレーではどうか。
シリコンバレーは会社単位での永続性よりも、シリコンバレーという生態系が存在し、その中でM&Aや転職がひっきりなしに行われている。

つまり自分達の組織単体での永続性はそれほど重要ではなく、シリコンバレーという生態系の中で価値ある技術やプロダクトやサービスを創造することができれば、エグジットも可能だし、転職も可能だというイメージ。

何でも無理に自社内で完結させる必要もなく、マネタイズができなくても専門性の高い研究成果や技術などは十二分にM&A対象として価値を発揮するし、だからこそ大学院などでは実用に耐えうる価値ある先端技術の研究などに力を入れている。

そういう社会全体での適材適所、最適役割分担みたいなものが成り立っているのではないだろうか。
だからこそ他になり強みに特化することで、その生態系の中での価値を磨こうとする。

日本全体としてみた時には、やはりまだまだ自前主義が多く、シリコンバレーのようになる日がくるのかどうかは定かではないし、私自身は組織づくりに興味・関心が高いので決してシリコンバレーのような生態系こそが絶対だとは思わないが、ベンチャーが伸びる環境、ベンチャーに優秀な人材が流入する環境という意味ではシリコンバレーの持つ独特の生態系は素晴らしいとも思う。

日本においてももっともっとM&Aが積極化し、いろんな人達がお互い力を合わせながらグローバルコンペティションに勝ち抜き、世界で影響力を持っていけばいいのに、なんて思った次第。

しかし日本で情報収集してるだけじゃなく、どっかのタイミングでシリコンバレーくらい行かないといかんな。何度も行くと言っていながら行けてないし。

完全に行く行く詐欺状態。

シリコンバレーで待って頂いている皆さん、来年は必ず行きますんでよろしくですw