起業して12年目、経営者としては15年目、年にして40歳。

最近久しぶりに会う後輩や、社内の古株のメンバーから丸くなったと言われる機会が増えた。

自分の中ではいいことなのか良くないことなのか、今ひとつわからないのだが。。。


ただ正直社内の若手との年の差が15歳前後は離れてきていることもあり、滅多なことがない限り、私自身が厳しく叱ることも、厳しい要求を突きつけることもなくなりつつある。


勿論私に変わってそういう役割を担う中間管理職がいればいいのだが、社内がフラットな組織を標榜していることもあり、明確なマネジメント層が存在していないことによって、他人に厳しく要求したり、ダメ出しをしたりする人は限られている。
つまるところ、明確に上司として部下を育てる責務を担う人が少ない組織体になってしまっているということ。


勿論各自が自分に厳しく、自分で成長していけるのが一番いいのは言うまでもない。
ただやはり自分で設定するレベルや目標はどうしても現実的なラインになりやすい。
そこにダメ出しをしたり、そのレベルや目標を強制的にでも引き上げてあげることは、本人の成長にとっては極めて大事だったりもする。

それが組織としてできなければ、結果として若手社員の成長を鈍化させてしまったり、ビジネス上の常識に欠落したまま年数を重ねてしまうような結果にもつながりかねない。

挨拶、返事、敬語の使い方、メールの書き方、タスクの管理の仕方、報告・連絡・相談、といった基礎的なものから、顧客とのコミュニケーションや複数人数のプロジェクトの管理の仕方、要求に対するアウトプットのクオリティ管理、目標設定の水準や、タスク実行期限の設定など、もっと厳しく要求しあう組織になっていく必要がある。


かといって中間管理職を設置してピラミッド型組織にすれば解決するかというと、ことアトラエという組織においてはそうではないと考えている。

やはりフラットで実力主義で、上下関係ではなく役割分担しているチームとしてビジネスを前に進めていく集団でありたい。プロアスリートのチームや一流のオーケストラのチームのように。


そのためには私がトップからガミガミ言うまでもなく、お互いがお互いに指摘し合い、要求し合い、改善し合うようなカルチャーが根付かなければいけない。

自分も言われたくないから言わない、という気持ちももちろんよくよくわかる。

そんな気持ちを押し殺した上で、

「そんなレベルじゃ恥ずかしくて顧客の前に出せないぞ」
「もっと高い目標掲げようぜ」
「こんな仕事にこんな時間がかかるようじゃ俺ら一流とは言えないだろ」
「クオリティが低すぎるぞ」

と仲間に対して言い合っていかないといけない。例え先輩であっても後輩であっても。

それが言える人は自分にも厳しくせざるを得ないし、実質厳しくなるもの。

経営者やマネージャーと呼ばれる人が仕事ができるようになっていったり、遅刻をしなくなっていったり、ミスをしなくなっていくのは、そういう責任感やプライドによるものも大きかったりする。
さすがに部下に「お前今度遅刻したら会社に来なくていいぞ」と叱っておいて自分が遅刻するようなら、威厳も尊敬もあったもんじゃない。


例えばサッカー日本代表の選手もみんな頑張っているはず。
でもそんな中で「こんなレベルじゃワールドカップで1勝もできずに終わるぞ。もっと気合入れろ!」と叱咤する本田圭佑がいるわけで、本田も意識してそういう役目を担っているはず。

多くのケースではそういう指摘をもらったとしても「あいつ何ピリピリしてんだよ。こっちだってちゃんとやってるんだよ。そんなことより自分はどうなんだよ。」という感情に陥りやすい。

それでは建設的にチームとして向上していけない。
お互い言い方には多少なり配慮するとしても、目指すべき一流レベルに対してどうなのか、ということ、そしてそれに対するマイナス面はどんなことであっても真摯に受け止め改善していくことが大事だと思う。

改めて社内におけるあらゆる要求値を、お互いにもう数段階高めていきたい。

そしてお互いに高見を目指して、全社員の市場価値も右肩上がりに成長し、それに伴い会社も右肩上がりに成長していく、そんな組織がやっぱりかっこいいと思う今日この頃。

ということで久しぶりに私も鬼軍曹時代を思い出して頑張ってみようかなw