先週は京都で開催されたIVSという世界のIT企業経営者約700人が集まるイベントに参加してきました。
半年に一度ということで毎回参加させてもらっているのですが、いつもいろんな学びと刺激をもらいます。

今回も多くの気付きや出会いがありました。

中でもトランスフォーメーション(構造改革)のセッションではいろんな学びを得たと思います。

自分なりに噛み砕いて理解したポイントを備忘も含めて整理してみます。


・組織が成長し続けることを志向すると、定期的に構造改革が求められる
・インターネットやITの業界はその頻度やスピードが非常に早く頻繁に訪れやすい
・構造改革を迫られている時は既にタイミングとしては遅く、好調な時から改革に着手すべきである
・構造改革には事業戦略面と組織戦略面という2つの側面が存在する
・両方の側面で同時に改革を断行するのは非常に難易度が高い
・構造改革にはある一定トップダウンで意思決定することが大事
・但し成功させるためには社員との対話による信頼関係の構築や社員の理解と協力が大事


Mixiさん、Greeさん、Yahooさん、Voyageさんといった名だたるインターネット企業が幾度と無く構造改革に着手してきており、その経験から語られる話しにはさすがに重みと含蓄がありました。

皆さんのお話から感じたのは、事業面での構造改革よりも組織面での構造改革の方が根が深く、時間がかかるのではないかという印象でした。

一方で私がアトラエで経験したのは全く逆でした。
2008年から2009年にかけて、リーマンショックにより外部環境が大きく変化する中で事業戦略面の立て直しが急務となり、立て直すのにだいぶ時間を要しました。このほとんどは組織戦略面ではなく事業戦略面での改革でした。

ただそこからの立て直しのプロセスで価値観や目指すべき姿などが、より深く浸透し、組織としては更に強固な文化形成ができたとも感じています。

私自身の感覚としては、僭越ながらもVoyageの宇佐美さんの感覚/お話が最も近く感じたのですが、カルチャーや価値観が浸透している組織というのは、あらゆる環境の変化にも柔軟に対応でき、事業戦略を臨機応変に変えることができると考えています。

経営陣が社員にできる限りの情報や考え方を開示し、質疑応答の機会を設けたり真剣に意見を聞こうとすることで、一致団結して前に進めるという性善説に基づく手法が組織としての理想だと思ってます。


そのためには日頃より全社員で目指すべき組織像や行動指針、価値観などを徹底して共有しておくこと。何をするか、つまりWhatだけではなく、どんな組織であるべきか、どういう働き方をすべきか、つまりHowについても議論を重ね、しっかりと共有・浸透させることが大事だと改めて感じた次第です。

どんな組織を創りあげるか、その組織で世の中にどんな価値を創造するか、この2つを社員と共に共有、共感、一致団結することが、本質的にビジネスを加速させる鍵でもあり、仲間と共に熱狂してビジネスに取り組む強いチームを醸成するのではないでしょうか。

株主からすれば、そんなんどうでもいいからさっさと会社を成長させて恩返ししろよって感じだとは思いつつ(汗)。