自分の持つ熱量をどこに向けて投下するべきか。

ベンチャー企業で活躍する人と、努力はしているのになかなか活躍できない人の違いは、その熱量の投下場所にあるような気がしている。


17年ほどベンチャー企業で働いてきた私なりに思うのは、

組織として目指すことに対する貢献にフォーカスを当てるべき

とういこと。


自分の専門性を磨く、自分の知識を高める、自分のノウハウを高める、いろんなポイントに意識を持つ人がいるだろうが、組織・チームで何かを成そうとするのがベンチャー企業における仕事なのであれば、その成そうとしている何かに対する貢献度合いが評価の対象となるはず。


一部技術系人材においては専門スキルの向上によって評価をしている組織もあるだろうが、それさえも中長期的な成したいことへの貢献につながるだろうという判断に過ぎないはず。


自分の成長、自分のキャリアにフォーカスして努力する人は単なる自己中心的な人材であり、そういう人ほど転職することで自分が得るものを変えていけると考え、転職=キャリアアップと勘違いしている傾向がある。完全に間違っているとは言わないが、一定期間組織にコミットして働くことでしか得られないノウハウや、見えない視点・視野というものが実は多く存在する。

スティーブ・ジョブズの言っているコネクティングドッツという考え方は、どちらかといえば一定コミットしたことの積み重ねがいつかすべてつながる時がくるということであり、何と何がつながるかはその時点で予測することは出来ないし、すべきではないと言っている。まさにそういうことだと思う。


つまるところ成長することやノウハウや知識を詰め込むことはあくまでも手段であり、目的ではないということ。そして貢献しようと思ったときに必要な知識やノウハウはどんどん勉強し吸収していかなければいけない。

しかしあくまでも貢献するために足りないこと、必要なことが中心であるべきだと思う。

勿論いつか役に立つから学んでおくという発想も不要だとは言わないが、そんな余裕があるようには到底思えない人ほど、そういう回り道をしている傾向がある。


自分ができる組織の目標実現に対する貢献にはどんなことがあるのだろうか。
今携わっている職務も勿論あるだろうし、チーム全体を俯瞰してみたらより貢献できることが見つかるかもしれない。さらには自分が係る事業全体や会社全体を俯瞰して経営的視点で見渡せば、更に自分が貢献できそうなことがあるかもしれない。

役割分担の中でMustとされているミッションをパーフェクトに遂行しつつ、余力があれば上記したように俯瞰してより貢献できることを見つけ出し、取り組んでみるというのも良いと思う。


本を読むこと、情報を収集すること、が目的になってしまっては本末転倒だと思う。

かくいう私自身も1年目のときは月間◯◯冊は読む、などと決めて読んでいたこともあるのだが、やはりインプットレベルは低かったし、今思えばもっとその時に活かせる本に集中しておいた方が効率は良かっただろうと感じる。

勿論短期だけではなく中期的に貢献していく上で必要なインプットに対しても一定時間を投資することは必要であり、そうなってくると今度は短期と中長期への時間投資配分をどうするか、ということを考える必要が出てくる。

何にせよ、若いビジネスパーソンほどまずは短期的に組織の成長に貢献できることにフォーカスして本気で取り組んでみることで見えてくることが沢山あるのではないかと思う今日この頃。