日本でも話題になっているGoogleの組織再編

つまるところGoogleという検索・広告を軸とした従来の主力事業を、アルファベットという持株会社の一つの事業子会社と位置づけ、第2、第3のGoogleに匹敵する事業子会社への取り組みを本格化するというもの。

時価総額はAppleに次ぐ55兆円規模にも関わらず、次なる挑戦をし続けるこの組織は、やはり投資家目線だけでなく、社員からしても魅力的に見えるのではないだろうか。


Googleというと圧倒的なビジネスモデルで買っている会社のような見え方がされるが、私自身はGoogle関連の本もいくつか読み、Googleで働く人達とも交流する中で、その考え方は少し違うと感じている。

もちろんページランクアルゴリズムを筆頭に、検索エンジンというビジネスモデルや着想自体は素晴らしいものではあるが、そこには競合も多数いたわけで、Googleだけが抜きん出て成長できた説明をするには、ビジネスモデルの勝利というだけではあまりに乱暴だろう。


私が考えるに、Googleの真なるなる強さはコーポレートカルチャーにあると踏んでいる。

“Don't be evil(邪悪になるな)” に代表されるGoogleの価値観や行動指針、組織作りへのこだわりや、今で言うところのUI/UXへの徹底など、Googleは当初より事業・組織のあらゆる点について本質を考え抜き、それを実践しようと試行錯誤してきたのではないか。

若いアントレプレナーだけでは実現可能性の低い組織作りという側面については、ベテラン経営者であるエリック・シュミットを引き入れることで実現してきたのも、実はなかなか普通の会社ではできない判断だと思う。

つまるところ、Googleの強さは未だにベンチャー企業であり続けていることであり、事業作りにおいても組織作りにおいても未だ挑戦し続けており、その魅力に世界中の優秀な人材が惹きつけられ、そして活き活きと力を発揮していることこそが、Googleの真の強さであろうと考える。

そしてGoogleは今後まだまだ成長し続けるだろうと心から思う。

ある意味Googleは、社員が誇りを持ち、株主がファンになり、顧客が常に期待し続ける、そんな理想的なのかもしれない。

日本を代表し、Googleのように、社員・顧客・株主を魅了し続ける組織を作ってみたい。
それこそがAtraeの目指す最終目標であり、創業時から変わらない想いでもある。

人がたくさん集まって組織を作り何かを実現しようとする、これが組織であり、どうやったら組織に有能な人材が集まり定着し、活き活きと取り組み続けるのかを考え抜くこと以外に、組織作りの本質はない。Googleの真の強さを目の当たりにし、そんなことを改めて思った。